食用油脂の生産技術(1)概要編

このシリーズでは、生産技術の概要から搾油、精製の各工程について解説していきます。今回はその概要をお届けします。

日本で搾油される主要な油糧種子である菜種(キャノーラ種)、コーン胚芽、大豆の場合、高油分含有種子の菜種(油分約40%)やコーン胚芽(油分約33~40%)については、まずエキスペラと呼ばれる圧搾機により油を搾り取り、その後残った油分を有機溶剤n-ヘキサンにより抽出します。

一方、低油分含有種子である大豆(油分約20%)は圧搾されず、直接有機溶剤で油分を抽出します。

圧搾油と、有機溶剤を蒸留やスチームストリッピングにより除去した抽出油は、粗原油または原油と呼ばれ、次工程の精製工程へと進みます。

精製工程では、粗原油中に含まれるリン脂質、遊離脂肪酸、クロロフィルなどの色素成分、低分子の有臭成分を除去し、製品油となります。

ここまでの概要工程フローダイアグラムを以下に示します。

また、抽出され脱溶剤処理されたミール(脱脂粕)は、大豆の場合、タンパクや醤油原料などの食品用や家畜飼料用途として、菜種の場合は肥料用途などに加工されます。

次回からは、各工程別にスポットを当てて解説していきますので、どうぞお付き合い頂けますと幸いです。

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